ミャンマー史に関わる古文書や石碑には、王朝時代の16~18世紀、諸戦争におけるムスリム捕虜がシュエボー、ザガイン、チャウッセー、ヤメーディンといった上ビルマ地方の村や町に居住させられ、また1709年にはヤカインから入ってきたムスリム3000名以上がタウングー、メイッティーラ、ターズィーなど12ヵ所に居住させられた、といったことが記されている。こうした歴史的経緯から、アニャーと言われる上ビルマには、古くからムスリムが暮らす町や村がある。そのひとつであるメイッティーラには、十数のモスクがあり、この写真は、そのうちのひとつである「ティリミンガラー・モスク」。このモスクは、15年後の2013年3月、仏教徒によるムスリムへの大規模な襲撃事件の際に破壊されることとなる。