■未知なる料理

街角の小さなビルマ料理店=メーミョーにて

「やっぱり辛いの?」

ビルマ料理について、たびたびこうたずねられます。

日本で“エスニック料理”のひとつとされる東南アジアの料理。「トムヤムクン」という辛いスープによって知名度を得て以来すっかり日本に定着したタイ料理を始め、わが国では、この種の料理に「辛い」というイメージはつきものです。実際、「エスニック」という言葉自体が、本来の意味から飛躍して「辛い」と同義的にとらえられており、辛いものばかりではないタイ料理についても、とかく辛さが強調されがちです。

タイの隣国であるミャンマーの料理もそんなイメージの影響下にあり、タイと混同されやすいだけに「辛い?」と思われてしまうようです。ただ、一般的なレベルの認識でいえば、まったく想像もつかないといったところでしょう。1990年頃の『地球の歩き方』の中にあった「ビルマでしか味わえないビルマ料理といったものは...少なく」との記述は象徴的で、その後、ビルマ料理への認識は若干向上しましたが、一般的には依然としてほぼ未知の料理に近いと言っていいでしょう。

そんなビルマ料理について、代表的なものを紹介する前に、まずはそのおおまかな全体像を簡単につかんでおきたいと思います。