乗客ははみ出ているが...

ビルマの路線バスは大変。満員で中に入りきれないと、乗客は車体にしがみついているのだから。

日本ではちょっと見られない光景だけに、ビルマを旅行していると、こんなことを感じるかもしれません。ただ、車内をよく見てみると、気候的に1年の大半が暑く、空調設備が万全でないこともあって、日本の満員電車における乗客のように、「すし詰め」にされることはありません。また、はみ出ているのは必ず男性。「優先席」を特に設けなくても、お年寄りはもちろんのこと、子供や女性はまず優遇されます。強そうに見えるビルマの女性ですが、男性たちにとっては「守るべきか弱き存在」なのだそうです。

このように一見雑然とした路線バスの車内状況ですが、そこにはマナーと秩序があります。

ここでちょっと目線を今回の本題である貨物トラックに移してみましょう。車両の後部からせり出るほど目一杯積み込まれ、今にも崩れんばかりに揺れている積荷。そんな状態で走っている貨物トラックをしばしば見かけます。何となく路線バスと同様の印象を持ってしまいますが、当然これも一定の秩序のものとで行なわれていることなのでしょう。

旅行者にとって、バスやタクシーならば利用する機会がありますが、貨物トラックというのは、ほとんどすれ違うだけの存在。しかしその世界を垣間見れば、ほんの少しですが、この国の姿も見えてきます。