ババ ミャンマー ヌードル(2014年10月開店)

■本場より美味しいミャンマー麺専門店

ミャンマーはちょっとした麺大国。実にさまざまな麺類があります。そもそも麺はすべて中国起源ではありますが、ミャンマーで独自に進化して土着化したものも数々あります。

そんなミャンマーの麺料理を大雑把に分類すると、①ミャンマー料理、②少数民族料理、③ミャンマー風中国料理といった感じになります。

①なら米麺の「モヒンガー」や小麦麺の「オウンノー・カウスエ」など、②ならシャン民族の「シャンカウスエ」やヤカイン民族の「ヤカイン・モンティー」などがあります。そして③は現地で中国料理と認識されてはいるものの、独自の変化により、もはや中国がルーツのミャンマー料理と言えそうなものまであります。例えれば日本のカレーライスのような感じと言ったらいいでしょうか。

そんな③の中でも土着化して大人気の麺料理が、ビーフンを使った「チェーオー」です。ババミャンマーヌードルは、そのチェーオーを筆頭に、主に③に該当するさまざまな麺料理を提供する店。メニューは30種類を超え、②のシャンカウスエも含んでいます。ならば①のモヒンガーやオウンノー・カウスエも、と言いたくなるかもしれませんが、ミャンマーでこのあたりは別もの。本国ではサービスエリアの大食堂や総合レストランなどは例外として、①が同時に扱われることはまずありません。ただ②のシャンカウスエについては、現地でしばしば中華麺と一緒に扱われるものなので、ここでも違和感はなく含まれています。

高田馬場駅からやや離れた神田川沿いにあるババミャンマーヌードルは、客層は日本人とミャンマー人が半々。人気メニューは、日本人の場合は特定できないそうですが、ミャンマー人はずばりチェーオー。ミャンマーの麺料理ですから汁ありとなしがあり、当然、汁なしが人気と思いきや、意外にも差はないとのこと。ただこれは、それぞれを好む人が同程度いる、ということではありません。暑い時には汁なしが、寒い(涼しい)時には汁ありがよく売れる、ということで、均すとおおよそ同じくらいになるそうです。

注文方法としてチケットの自販機が導入されていますが、実際、30種類以上もメニューがあるわけですから全てを網羅することはできません。自販機にないものは口頭で注文をします。その際、好みに応じた細かな指定もOK。チェーオーならば、肉はモツ抜きにするとか、麺は平麺を混ぜるとか、あるいは野菜多めなどなど、対応可能な範囲でリクエストに応えてくれます。それによって追加料金のかかる場合もありますが、こうした融通がミャンマー式。また麺類以外にも、和えものや蒸しものなどのおつまみ的な小皿料理が4~5品あり、これがなかなかの美味。なお、ついビールが飲みたくなりますが、酒類は扱っていません。

店内にはさまざまな麺料理の写真が掲示されています。これを見ていると目移りして、何を注文したらいいか迷ってしまうかもしれません。その場合は、まずチェーオーを食べてみてください。本場ミャンマーよりも旨いと言っても過言ではありません。その秘訣は、ずばりスープにあります。鶏ガラがふんだんに使われており、本場ミャンマーにはおそらくこれほどの店はないでしょう。それについて店主のマ・チョーさんは「日本では大量の鶏ガラが簡単に手に入るから」と教えてくれました。ミャンマーでは、肉類は日本ほど冷凍保存されず、鶏肉も市場に出回るのは日ごとに処理された生肉が大半。よって鶏ガラの流通量もおのずと限られしまうのです。

鶏ガラを必要なだけ仕入れて実現した濃厚スープと融通の利く注文方法。日本とミャンマーのいいとこ取りで、隠れた麺大国の味を楽しんでみてください。

※店の場所(地図)はこちら

(2019年10月取材)

店名 ババ ミャンマー ヌードル(2014年10月開店)※紹介記事
所在地 豊島区高田3-10-24
電話番号 03-3205-6033
営業時間 11:30~23:00
休業日 年中無休
カウンター席の他に小さな座敷もある。
人気のチェーオー。ビーフンに平麺を混ぜたバージョン。
小皿料理の「ウェッアソンドウッ(豚の内臓などの和えもの)」。