ミャンマー・ポップス界が生み出した女性歌手のトップ・スターと言えば、何といってもメースウィです。40年を超える歌手生活。驚くべきは、その前半約20年間。リリースしたアルバム数は100本以上。映画界にも進出して約50本の作品に出演。1997年末インドネシアで開催されたアセアン諸国の歌謡祭に国を代表して参加。歌唱力や人気の高さで群を抜く彼女ですが、1997年末に渡米し、アルバムのリリースにおいては第一線からは若干退いたような形になっていました。しかし、その間も本国での人気は全く衰えることなく、2012年、ヤンゴンでの50歳の誕生日公演を機会に、活動の拠点を再びミャンマーに移し、ますますミャンマー・ポップス界の女王として輝き続けています。

さて、女王という表現から想起されるイメージには一種の近寄りがたさがありますが、彼女の場合、万人に親しみを感じさせる愛らしさがその大きな魅力。母親が大女優という家庭環境の中で培ってきた大スターとしての風格を備えつつ、同時に、その併せ持つ飾り気のない可愛らしさと快活さには、親近感を抱かせるものがあります。ビルマ・ポップス界の女王は、そんな愛すべき大スターなのです。