J-ASEAN POPS plus TOKYO-ASEAN JAM’03 – IC(アイロンクロス)来日 – 2003年12月22日(月)

J-ASEAN POPs コンサートの後夜祭として行われた「J-ASEAN POPS plus TOKYO-ASEAN JAM’03」。当初、予定されていたカンボジアのプリアップ・ソバットが体調不良で出演できなくなり、時間を繰り上げてレーピュー&アイロンクロスが登場。予定されていた曲数は5曲でしたが、急遽、観客たちからのリクエストなどをおりまぜ、10曲が演奏されました。

1曲目の「死の入り口」は、1994年にリリースされたセカンド・アルバム『絶叫の海(ピンレー・オーダン)』からの曲。レーピューが大ブレークした3作目のライブ・アルバム『荒野の海、絶叫の月(ガンダヤー・ピンレー・ラミン・オーダン)』にも収録されています。

2曲目の「イカれてるフリしないで」は、オリジナル曲だけで構成されたアルバムとしては1作目の『新しい世界の音楽』からの曲。ここでは、タイのサックス奏者コー・ミスター・サックスマンをゲストに迎え、熱いセッションが繰り広げられました。まさしく今回のプロジェクトならではの、興味深く聴き応えのあるビルマ・タイ両国のミュージシャンによる共演でした。

続いて、最新作『レイッピャー』からの「狩の舞」をはさんで、ドラムスとギターがそれぞれソロ演奏を披露。人気ギタリスト、チッサウンマウンは伝統歌謡(「マンダレーヒルでひと休み」、「シャンの山々に響くオーズィーの音色」)をも織り交ぜ、ユーモラスにビルマ一のテクニックを見せてくれました。「蝶~望郷の魂」は最新アルバムの表題曲。望郷の思いをつのらせる男をテーマとした曲で、横浜での公演でも歌われました。「もう帰ってきて」は、レーピューが12歳のとき、よく幼なじみと一緒に歌っていたという曲。「恋しい」は観客からのリクエスト。この曲は、続く「新しい失恋の歌」、「魔女」と共に3作目のライブ・アルバムにも収録されています。

キンマウンタン
レーピュー
カヤン
チッサンマウン
バニャーナイン
レーピュー

PROGRAM 

1.死の入り口(テージンイェ・ダガーミャー)
『ピンレー・オーダン』より
2.イカれてるフリしないで(ユージンヤウン・サウンマネーネ)
『新しい世界の音楽』より

3.ドラムソロ~狩の舞(アメーライ・アカー)
『レイッピャー』より
4.ギターソロ
5.蝶~望郷の魂~(レイッピャー)※訳詞
『レイッピャー』より
6.もう帰ってきて(ピャンラー・バー・ド)
7.恋しい(アルワン・ミャー)
『ピンレー・オーダン』より
8.新しい失恋の歌(アテークエ・ダチンティッ)
『ピンレー・オーダン』より
9.魔女(ソウンマ)
『ピンレー・オーダン』より

日   時2003年12月22日(月)19:00~19:50
会   場渋谷・神宮前「ラパン・エ・アロ」にて
(「J-ASEAN POPS plus TOKYO-ASEAN JAM’03」)
主  催TOKYO-ASEAN JAM’03実行委員会
入場料無料

J-ASEAN POPs コンサート – IC(アイロンクロス)来日 –
2003年12月21日(日)

公演直前のリハーサル
レーピュー

「日本ASEAN交流年2003」記念事業の一環である国際共同制作事業「J-ASEAN POPs」(国際交流基金主催)の締めくくりとして、「J-ASEAN POPs コンサート」と「TOKYO-ASEAN JAM’03」が開催されました。

今回のレーピュー来日は、同時にアイロンクロスのメンバー「全員」という点にも注目したいところ。一般の在日ビルマ人などが民間レベルで歌手を招聘する場合、諸事情により複数はかなり困難。それだけに嬉しい限りです。ただ、21日の「J-ASEAN POPs コンサート」は大勢のアーティストが参加するだけに、レーピューに割り当てられた曲数は2曲。残念ですが、この点はやむなし。しかしは翌22日に渋谷で催された「J-ASEAN POPS plus TOKYO-ASEAN JAM’03」では、10曲を披露。熱いライブが展開されました。

なお、「J-ASEAN POPs コンサート」については、その模様がNHKのBSで2004年2月21日に放送されます。

日   時2003年12月21日(日)開場16:00 開演17:00
会   場パシフィコ横浜国立大ホール
主  催国際交流基金
入場料S席 4,000円  A席 3,500円

「J-ASEAN POPs」について

◆◆◆コンサート◆◆◆
J-ASEAN POPs というプロジェクトの柱であるASEAN各国の代表アーチスト参加によるコンサート。プロジェクトのイメージソング「TREASURE THE WORLD(歌:有里知花)」をASEAN各国の言語でそれぞれ歌うという企画とタイアップして開催。ビルマからの歌手については、人選が難航していましたが、ビルマ・ロックのヒーロー、レーピューが自己の所属するバンド「アイロンクロス」と共に出演することが決定。ビルマ語版イメージソングの収録については、10ヶ国のトップを切って終了。この曲はビルマ国内の国営放送で放送される「J-ASEAN POPs」のラジオ番組『TOKYO BEAT』の中で流されます。

◆◆◆TOKYO BEAT◆◆◆
日本の紹介という共通の内容がASEAN各国の言語に翻訳され、それぞれの国内のFM局で放送されることになっているラジオ番組。ビルマ語版の翻訳担当は在日ビルマ人のマ・ヘーマーさん(JMCCビルマ語講師)。レーピューのビルマ語版イメージソング収録が早かっただけに、原稿の翻訳作業でおおわらわ。しかし、放送の可否に対して当初政府当局が難色を示し、「許可」に至るまでに時間を要したことで、実際の放送は、12月以降となる模様です。

レーピューによるビルマ語版イメージソング

伝統歌謡の女王マーマーエー来日
-音楽の母マーマーエー公演とカラオケ大会-
2003年9月21日(日)

ビルマの歌謡曲は、近年特に外国ポップスのコピー氾濫という状態にあります。しかしその一方で、古典音楽とも言える伝統的なスタイルの歌曲も「生きた」大衆歌謡としてしっかり根付いており、それがこの国の歌謡曲における大きな魅力のひとつとなっています。

そんな伝統歌謡は、細かく分けるといくつかのスタイルがあるそうですが、大雑把にとらえて言うと、「ダチンヂー」といわれる歌曲がその中核をなしています。今回来日するマーマーエーは、そのダチンヂーの名手として、最高峰の女性歌手のひとり。また彼女のレパートリーは、ダチンヂーにとどまりません。西洋のスタイルを取り入れた楽団をバックに歌い上げるミャンマー・タンズィン(ビルマ風メロディー)のスロー・バラードも、お得意のひとつ。マーマーエーの歌唱を聴くことで、ビルマ歌謡におけるひとつの原点を見出すことができるでしょう。

来日に当たって、マーマーエーは次のような一文を寄せてきています。

「ミャンマー語は我らの言語、ミャンマー文字は我らの文字、と高らかに宣言してきたように、ミャンマーの歌も我らの歌だと、声を大にして言いたくありませんか」

配布されているビルマ語のチラシによると、公演の趣旨は「マーマーエーがビルマの歌でビルマを誇る」ための来日とのこと。そもそもビルマ人歌手の来日公演は、在日ビルマ人自身のためのイベントであり、僅かな例外を除き、日本人へのビルマ文化紹介を趣旨とするものはほとんどありません。そして今回の公演は、一層その傾向が強いと言っていいでしょう。したがって、大御所である真の実力派歌手のマーマーエー公演ですが、そのステージは日本人が考えがちなじっくり聴かせる形というよりは、観客参加型のビルマ風一大イベント。よってイベントの表題も「音楽の母マーマーエー公演とカラオケ大会」。マーマーエーの他に在日ビルマ人が総勢20名以上出演しました。

ステージでは、まず在日ビルマ人社会で芸能活動をしているアマチュアの“芸能人”たちが、歌、竪琴演奏、踊りなどを披露。続いてカラオケ大会の前半グループ9名が歌い、再び在日芸能人の歌が1曲。そして、いよいよマーマーエーの登場。その後、カラオケ大会後半グループ9名や在日芸能人などをはさみながら、マーマーエーが貫禄たっぷりに伝統歌謡の名曲を次々に披露。5時間以上にも及ぶイベントは、最後にカラオケ大会の結果発表と在日芸能人の踊りで幕を閉じました。なお、カラオケ大会ではコ・ミンゾーさんが優勝しました。

日  時2003年9月21日(日) 15:00~20:00
会  場上野公園
主  催
ミャンマー文化福祉協会(MCWA) 03-3973-3379
入場料2000円

名古屋ダヂャン(水祭り)
2003年5月4日(日)

名古屋でのダヂャンも今年で8回目を迎え、すっかり恒例となってきました。去年おととしに引き続き、鶴舞公園を会場として開催されました。

日  時2003年5月4日(日)
会  場鶴舞公園(JR「鶴舞駅」)※地図はこちら
主  催
052-681-2635

ダヂャン(水祭り)
2003年4月13日(日)

恒例のダヂャン(水祭り)が、今年は、桜で有名な王子の飛鳥山公園で行われました。ここを会場としての開催は、1996年に引き続き2回目。1997年以来ずっと会場となっていた中野駅前公園が駐輪所の拡張によって狭くなってしまったことで、昨年から別の会場が検討されていました。

そして今年、広々とした飛鳥山公園での開催が決定。ここ2年間は最良の状態では開催できていなかった東京ダヂャン。おととしは雨天によって2回に分けて開催せざるを得ず、昨年は駐輪場の拡張によって会場が縮小してしまっただけに、久しぶりの飛鳥山公園での広い会場では、集まった大勢の人たちが、今年で12回目を迎えた東京ダヂャンの楽しい時をゆったりと過ごしていました。

日  時2003年4月13日(日)11時~17時
会  場飛鳥山公園(JR王子駅南口)地図はこちら
主  催
ビルマ青年ボランテイア協会(BYVA)
03-3916-4996