新鮮なモツを丹念に洗う

癖になる旨さのウェタードウットー。その味の良さは、仕込みにおける丹念な調理方法にあります。

材料のモツ類は毎朝4時頃に市場で新鮮なものを仕入れます。そして調理の前にまず徹底的に洗浄を行うのです。塩もみ、石灰洗浄、再度塩もみといった具合に3回洗った後、最後はタマリンド(マメ科の植物で果肉に酸味がある)を使って臭みが消えるまで念入りに洗います。また、顔や皮の部分は、洗うだけではなく、細かい体毛を剃刀で丹念にそり落とします。

時間をかけて十分に洗浄した後、大鍋での煮込みに入ります。細かな味付けは店によって若干異なるようですが、よく使われる調味料は、塩、砂糖、味の素、豆醤油、ショウガ、ニンニク、五香粉といったところ。そこに高菜漬けを加えて2時間ほど煮込み、これで調理はほぼ完成。あとは時間のかかる硬い部位ついてのみ、営業中に煮込みを続けます。

またウェタードウットーにとって、これにつける甘辛ソースの味も大切です。煮込みの間に、チリソースをベースとするソース作りを、店によって微妙に異なる調合で行っていきます。

こうして材料の仕入れから約6時間後に仕込みはすべて終了。ここまで整ったら料理と道具一式を繁華街の路上に運び込みます。
極小の屋根なし屋台を組み立てたら七輪に火を起こして、運んできた煮汁を大鍋に移して加熱します。そして省スペースの調理台ではモツ類をさばき、手際よく串に刺していきます。50本ほどが鍋蓋の上に並べられた頃に、煮汁は程よく沸騰。こうして串刺し豚の加熱ができるようになったら開店です。熱々の煮汁は、料理の美味しさや衛生面において、この露店料理の要となっています。

■メニュー■

ウェタードウットーの露店は、食肉以外のあらゆる部位を扱っている。(※食肉を扱っている店もある)

頭(ガウン)
目玉(ミェロウン)
鼻(ナカウン)
舌(シャー)
舌のつけね(シャーベイダー)
耳(ナユエッ)
頬(パー)

上顎(アーガウン)
顎(メービャー)
声帯(シャーキン)
食道(レービュン)
心臓(ナロウン)
肺(アソウッ)
スペアリブ(ナンガッター)

目玉は通好みの珍品。1日に数個しか出ない。