全良 [ゼンヨ] ※2号店(2022年7月30日開店)

■激戦区高田馬場に出店したカラオケ料理店

高田馬場のミャンマー料理店は、カラオケを備えた店がめっきり少なくなった時期がありました。それは、新目白通り沿いの第2京やビルからミャンマー料理店がすべて撤退した2018年頃から2019年にかけての頃です。その当時、カラオケを思いっきり楽しめる店は、ヤンゴン、ミャミィンモー、ノングインレーといった3店程度でした。

しかし2020年の秋ごろから、コロナ禍にもかかわらず、否むしろコロナ禍ゆえに、ストレス解消を求めてかカラオケ需要が高まって来ました。そうした状況下でミャンマー料理店は、それまでやや減少傾向にありましたが、コロナ禍で物件が借りやすくなったことから新規開店が増えてきました。以来、高田馬場では店の増加と共に、再びカラオケ料理店の比率が高まってきました。

2022年7月末に開店した「全良」は、そんな典型的なカラオケミャンマー料理店。この店は、店主のチョーズィンテッさんが同年2月に亀戸でオープンした居酒屋「全良」の2号店です。

もともと亀戸の1号店は、普通の居酒屋としてスタートしました。しかし、そこはやはりミャンマー人の店。同胞の客からの要望でミャンマー料理を出すようになり、オープンから2か月くらいでそちらがメインの店となりました。そして、居酒屋ですから酔った客はいい気分になって一曲歌いたくなります。次なる要望はそこでした。しかし店に防音設備はありません。それに応えるには別の店を出した方が手っ取り早い。ならば場所は高田馬場。こうして2号店は、カラオケ設備の整っている地下の店舗でオープンしました。

ただカラオケは高田馬場ではもはや特色とはいえません。ランチにも力を入れていますが、そのランチもやはり多くの店が既にやっていること。ミャンマー料理店が集中している高田馬場では、少しでも人目を引きつけなければいけません。

かつてミャンマー人コミュニティの宣伝媒体は小冊子の情報誌でした。しかし今や、それはすっかりFacebook(FB)にとって代わられています。ミャンマー人にとってネット上の日常生活空間そのものと言えるFB。そこでの日替わりメニュー投稿は、新規の店にとって欠くことのできない、重要な宣伝方法と言えましょう。そして、料理店ですからもちろん美味しさが重要。居酒屋の2号店ですから、そこは期待できます。

隠れ家風の地下にある全良2号店。ちょっとディープなミャンマーが楽しめる店でもあります。

※店の場所(地図)はこちら

(2022年10月取材)

店名全良(ゼンヨ)(2022年7月30日開店)※2号店 FBページ
所在地新宿区高田馬場3-12-10 木村ビル地下1階
電話番号070-9002-8533
営業時間11:00~15:00、17:00~29:00
休業日年中無休
店の入り口
バナナの葉を食器としたエキゾチックなランチ
カラオケが思いっきり楽しめる店内
マグウェ出身の店主チョーズィンテッさん。