2000年3月26日に出された財政・歳入省の布告第57号によると、従来、1級~15級に格付けされていた公務員の給与体系が12級までに統合され、下の表のような形での賃上げが実施されました。公務員の格付けは職種や役職などに応じてなされていますが、旧給与体系ではどうなっていたのでしょうか。ごくわずかながら具体例を以下に記します。
警察官の場合、最低格が1級。国境検問所の職員の場合、所長が7級、助手が4級。教員の場合、教諭ならば小学校が4級、中学校が5級、高校が6級、管理職(ミャンマーには教頭制はないので校長のみ)ならば校種にかかわらず8級。ヤンゴン市市長、あるいはキンニュン第一書記のような国政のトップレベルの場合で15級。昇給については、1~9級職の場合、このように定められた「級」の中で2~6回あります(詳細は表を参照)。例えば、小学校の教員ならば4級なので、初任給は1,000チャットです。これを1号給とすれば、2号給、3号給という具合に号給が上がるにつれて25チャットづつ昇給し、上限の5号給に到達することで給与は最終的に1,100チャットとなります。昇給は1年ごとなので新採用から2~6年以降の給与額は、上級職に昇格しない限り変わらないということになります。このような固定的な給与額にベアはないに等しく、ボーナスもありませんが、特別手当の類はあるようです。
こうした旧給与体系について、今回、改定が行なわれました。主な改定点は次のとおり。
- 給与額が5倍ほどになった
- 昇給は2年ごと
- 昇給回数は一律5回
政府機関で従事している日雇いの公務員についても、8時間勤務の日給が従来の20チャットから100チャットに引き上げられました。また、海外勤務の外交官及びのその他の公務員については、その任にある限りにおいて、現状通りの額が外貨で支払われますが、帰国後に関しては、改定された給与体系が適用されます。
なお、この布告文書の配布先は、SPDC(国家平和発展評議会)議長府、SPDC府、総理大臣府、内閣、最高裁判所、弁護士会館に限定されており、改定の対象となる公務員全体に対しては、特にTVやラジオといったメディアを通じて広く告知するといった措置はとられておりません。
旧給与 新給与(2000年~) 級 額(単位はチャット) 昇給額 級 額(単位はチャット) 昇給額 1 600~750 25 1 3,000~3,500 100 2 800~900 25 2 3,600~4,100 100 3 950~1,050 25 3 4,200~4,700 100 4 1,000~1,100 25 5 1,100~1,200 25 4 4,800~5,300 100 6 1,250~1,350 25 5 5,400~5,900 100 7 1,425~1,525 25 6 6,000~6,500 100 8 1,575~1,675 25 7 7,500~8,500 200 9 1,750~1,850 50 8 8,700~9,700 200 10 2,125 9 10,000~11,000 200 11 2,250 10 11,500~12,500 200 12 2,375 11 13,000~14,000 200 13 2,400 14 2,500 12 15,000~16,000 200 15 2,700