軍事政権下(1988~2011)での輸送機関とその周辺

「スペア」といわれる路線バスの車掌。重労働だが、賃金は運転手よりも2割ほど安い。

「1日15時間働いて1000チャット。勤務中の飯やタバコなんかはオーナーが支給してくれるけど、仕事はきついよ。何とか女房や子供を食べさせてはいるけど、アパートの家賃が月1万チャット。もっと安いところに引っ越すつもりだ。」

ヤンゴン市内を走るバスの運転手は自分の生活についてこう語ってくれました。

ヤンゴンのみならず全国のモノやヒトの流通をつかさどるさまざまな輸送機関。外国人旅行者も当然そうしたルートを利用して移動します。そういう意味では、旅行者にとって、例えばそこに従事している運転手などは身近な存在なのです。とは言うものの、何か特別なことでもない限り、そのことに気を止めることもなければ、関わり合いを持つこともないでしょう。しかし、こうした輸送機関について、それにたずさわっている人たちからの知識を多少なりとも備えていると、旅行自体の幅もより広いものになるかも知れません。そうしたさまざまな輸送機関について、そのごく一部を取り上げ、運営の仕方やその当事者の生活などについて少しだけ見ていきます。

なお本文における料金や価格といった数字は、特記なき場合はすべて2001年8月時点のものです。