ウェタードウットーのミニ露店。串刺しされた豚のモツ類がずらり。好きなものをとり、熱々の煮汁(中央に見える部分)に浸して加熱する=2006年8月ヤンゴンにて

ミャンマーの表玄関ヤンゴン市。外国人旅行者にとっての観光スポットといえば、仏塔のシュエダゴンパゴダあたりが定番ですが、繁華街の露店巡りも大きな見どころのひとつです。ビルマ語で「ランベイザイン」と言われる露店には、飲食類・衣料・日用雑貨・音楽CDなどなど、様々なものを扱っている店があり、活気にあふれています。

とりわけ楽しいのは食べ歩き。せっかくですから露店ならではの一品を食べたいものです。そんなつもりで賑やかなアウンサン将軍通りあたりをぶらぶら歩いていて、ちょっと気になるのが、串焼きのようなものを並べたとても小さな露店。同じような店が何軒もありますが、いずれの店舗も、その規模はちゃぶ台程度。そんな狭いスペースにモツ類が串刺しにされ所狭しと並べられているユニークな店構えに、つい引き寄せられてしまいます。

備え付けの低い腰掛に座り、あらためてモツ類を眺めてみると、かなり種類がありそうです。店の主が薦めるものを言われるがまま食べてみると、これが予想をはるかに上回る旨さ。そして熱々の煮汁をすすってみたところ、これまた美味。あっさりしつつも旨みたっぷりの醤油味は、日本人好み。失礼ながら店の主に「料理店へ行って食べるならどこがいい?」と聞いてみると、「料理店にはない」とのこと。これは、露店でしか味わえない一品なのです。