ペコ(2021年10月開店)
■ラーメン店からミャンマー料理店へ
第2のリトルヤンゴンともいえる大塚を中心とする山手線の池袋~駒込は、昔からミャンマー料理店のある一帯です。駒込と言えば、かつて90年代から00年代にかけて名店「シュエジークエ 」が、そして00年代前半には「昆明飯店」という当時としてはとても珍しいカチン料理が食べられる店があった場所として一部の間で知られています。
そんな駒込に、近年じわじわとミャンマー料理店が増えてきています。
そのひとつが2021年に開店した「ペコ」。この店名は、相談したミャンマー僧から、「おなかペコペコの人の腹の満たす店」となるべく命名されたとのこと。こうして当初ラーメン店としてスタートしましたが、ミャンマー料理も少しメニューに入れておいたところ、メインのラーメンではなく、わざわざそちらの方を注文する日本人客が次第に増えてきました。それはそれでありがたいのですが、仕込みにとても手間のかかる肝心のラーメンが余ってしまう事態はとても悩ましいものでした。そこで、思い切ってミャンマー料理店に切り替えることを決意。開店から半年ほどが経った22年の4月にミャンマー料理店に切り替えることにしたのでした。
店は、テールインウーさんとナインナインルインさんご夫妻が経営。妻のナインナインルインさんは、父親が調理人としていろいろな店で腕を振るったミャンマー料理のシェフだけあって、子供のころから父親から受け継いだ彼女の料理の腕前は確かです。ミャンマー料理の専門店となって本領を発揮。日本人客には、特にビルマ風ビリヤニの「ダンバウ」とビルマ風中華麺料理の「汁なしチェーオー」が人気とのことですが、他には皮付き豚三枚肉のビルマ風甘煮の「ウェッター・アチョーヂェッ」は絶品。そして食後の飲み物として、ミャンマー名物のミルクティー「ラペッイェー」は、本国同様にお好みの味を指定して注文することができます。
ミャンマー料理店として軌道に乗ってきたことで、店舗を2階に加えて、2023年4月には3階にも拡大。ここはパーティー会場して使用できるようになっていて、誕生日会や結婚式の2次会などで50人ほどの大人数でも思いっきり楽しめるようになっています。ちなみに2階の店舗にもカラオケが備え付けられていて、こちらの方は、嬉しいことに店のサービスとして歌うことができるとのことです。
ミャンマー料理でない店も含めると、現在(2023年5月)、ミャンマー人経営の飲食店が5軒ある駒込駅周辺。大塚に続く第3のリトルヤンゴンとなるかもしれません。
※店の場所(地図)はこちら
(2023年5月取材)