主要メンバー(後列8名の女性)とボランティアメンバー。男性の視点で意見発信がもっと活発になれば、とのこと。
Myanmar Active Students & Businesspeople Organization -JAPAN
(在日ミャンマー留学生 & 社会人組織)
※通称MASBO(マサボ)

■代表:マ・カインズィンチョー

■設立:2014年3月

■会員数:3,729名(2019年5月現在)

■主な目的:留学生支援、祖国についての広報、同胞の親睦

■主な活動内容:親睦会、情報や知識の相互発信、文化スポーツ交流

マ・カインズィンチョー

代表のマ・カインズィンチョーさん(以下、カインさん)は、2009年から2013年にかけて大阪と奈良に留学。卒業後、入社した大手求人情報会社からの後押しもあって、留学中からの構想であったミャンマー人のための情報発信ページ「在日ミャンマー人のための情報の集い」をfacebookに開設し、2013年7月、まず15名で第1回の交流会を高田馬場のミャンマー料理店ルビーで開催しました。

その後、楽しく仲間づくりや情報交換ができる場として交流会を定期的に開催。特に条件をつけることなくメンバー承認を行ってきたことで、さまざまな人たちが幅広く参加するようになりました。会の目的は、ミャンマー人同士の親睦、就職などの情報交換、留学生への支援といった、日本に住む同胞の支え合いを第1の柱としています。その点では、本国の民主化サポートが最優先される在日の政治活動とベクトルが異なっています。メンバーが増えるにつれ、政治活動に主眼を置く人も会に参加するようになってきました。そこで、あらためて主たる方針を明確した形の組織づくりの必要性を感じ、カインさんは非政治という主旨を明らかにした上での組織づくりを決意しました。

こうして2014年3月、再びミャンマー料理店ルビーにおいて「MASBO」を設立しました。設立メンバーはカインさんとUFL(外国語大学)の後輩の計7名の女性たち。現在(2019年)は、8名の主要メンバーと20名ほどのボランティアメンバーで運営を行っています。会の目的は、「ミャンマー人学生は日本で安心な生活、楽しい生活、を経験し、自分の目的が達成できるように支援する」こと、そして「日本に居るミャンマー人留学生とビジネスマン(日本企業、日経企業で勤めているミャンマー人)を対象に様々な活動を行い、学生に役に立つことを行い、母国のことを広報すると共に、ミャンマー人相互の親睦をはかることを目的とする」ことです。

設立以来、さまざまな活動を展開しており、文化やスポーツを通じた交流会、日本語スピーチコンテスト、日本-ミャンマー交流農業体験、進学セミナーなどを主催。旅行を企画して親睦を深めたり、本国の災害時には募金活動を行ったり、または他団体が主催するイベントにも参加し、5月に行われるミャンマー祭りではステージに出演するそうです。

在日ミャンマー人社会には、当然のことながらさまざまな立場や考え方の人たちがいます。その点で異なっていても、共通点は祖国を思う気持ち。日本で学んだり働いたりしている若者の思いは、自分たちが頑張って経験を積むことで能力を高め、成果を得ることで祖国やそこに住む家族に役立ちたいということ。その思いは、組織が政治的であるか否かを超えたところにあります。時代が変わり世代交代が進行しても、在日ミャンマー人社会は、そうした思いで祖国とつながっているのです。

(2019年5月)